
ここでは、手形の割引とでんさいのメリットの一つである分割割引について解説しています。
でんさいの割引について考える前に、まず手形の割引について整理しておきましょう。
手形の割引とは、満期の来ていない手形を銀行などの金融機関が譲り受け、買い取ることを言います。買取日から支払期日までの金利相当額を手形額面額から差し引くため、手形割引と呼ばれています。
紙手形の割引は、記載された金額の満額でしか割り引くことはできません。
割引の対象となるのは、商業手形、銀行引受手形、荷為替手形の3種類ですが、取引される手形の大部分は商業手形です。
割引は、手形の所持人(割引依頼人)からすると、手形を金融機関に譲渡することになりますので、裏書が必要で、手形が不渡りになれば買戻し遡求義務が発生します。
銀行側は、手形割引を短期運転資金の融資の一つとして考えるため、手形の所持人の信用状況によって、取引の可否を決定します。なお、審査基準は金融機関によって異なります。
でんさいの割引も手形の割引と基本的な考え方は同じで、金融機関に譲渡することで債権金額を支払期日より前に受け取ることができます。
手形の割引と違うのは、必要な分だけ分割して割引ができる点です。手形の場合は額面金額の全額を割引しなければなりませんが、でんさいの場合はそういった縛りはなく、何回でも分割することができます。
このメリットは、思った以上に大きいものです。割引をする場合、銀行で割引をするにしても、割引率が差し引かれます。
例えば、100万円の現金が必要なのに、手元に1,000万の紙手形しかない場合、100万円の現金のためにわざわざ、1,000万全額の割引をしなくてはならなく、割引かれる額が大きくなってしまいます。
その上、でんさいの場合は、現金化までの時間がかかりません。紙手形の場合は、金融機関に持ち込んでも1~2時間程度、郵送の場合は1~3日程度かかりますが、でんさいなら最短10分程度で入金確認が可能です。
つまり、手形取引に比べるとでんさいの方が柔軟でスピーディな資金化ができるため、企業にとって悩みの種となっていた資金繰りがしやすくなると言うことができます。