ここでは、でんさい割引を行う際の銀行と業者の割引率の違いや相場について解説しています。
銀行などの金融機関では、手形割引は持込人に対する融資という考え方が基本となっています。
したがって、依頼があった場合、取引先企業の信用状況によって割引を行うかどうかの判断をします。
銀行では、信用取引枠、預金担保、不動産担保などの一定の手形割引枠が設定されていて、その枠を超えて手形割引の依頼をした場合、断られることも。
これは、紙の手形の場合の例ですが、でんさいにおいても考え方の基本は同じなので、割引をする場合は少しハードルが高いと考えてよいでしょう。
割引率は企業の信用度や業績によって変動しますが、金融機関の場合は以下のような数字が目安になります。
金融機関名 | 割引率(年率) |
---|---|
都市銀行 | 1.5~3.0% |
普通銀行 | 2.0~3.5% |
信用金庫 | 2.5~4.5% |
信用組合 | 3.5~5.5% |
銀行などの金融機関の割引率は低いと言えますが、割引を受けられるのは審査をクリアした企業のみ。割引を受けられない中小企業も数多くあることは認識しておくべきでしょう。
手形割引業が手形割引を受ける場合は、持込人の信用状況より振出人の信用状況を重視します。
例えば、裁判所から財産処分の保全命令が出ている民事再生会社が割引依頼をしたとしても、持ち込んだ手形の振出会社の与信調査によって割引を受け付けてもらえます。
割引率の目安は3.0%~15.0%です。割引率に幅があるのは、業者が負うリスクによって決まるからです。大手優良企業の手形は割引率が低く、中小企業や個人事業主が発行した手形はリスクが大きいので、割引率は高くなります。
全般的に、金融機関よりも割引率が高いのは、手形割引業者に原価があるからです。銀行との取引により、手形割引枠を持っていて、銀行で再割引をする時に支払う手形割引料が2%前後。これが原価となっています。
この原価に人件費などの諸経費がプラスされるため手形割引業の手形割引率は安い場合でも4%前後となるというわけです。
でんさいと紙の手形と比較した場合、でんさいの方が割引率が低くなる傾向にあります。これは、でんさい割引では支払元となっている企業が現在は、中規模以上であることが多いからです。
今後、でんさいが普及するにつれ、中小企業が振り出すでんさいも増えてきます。そうなった際、銀行で割引を断られたから業者を探そうと、急いで割引業者を選ぶことになると、悪い業者を選んでしまう危険性も上がります。
近い将来のでんさい事情も考えて、今のうちから信頼できるでんさい割引業者を探しておくと、有事の際に慌てずに対応することができますよ。